香港理工大学ホテル・観光経営学部長のケイ・チョン氏が、先ごろのアセアン・ツーリズム・フォーラム(ATF)で、アジア・太平洋地域の格安航空会社(LCC)の動向を解説した。
このなかでチョン氏は、「アジア・太平洋地域のLCCは、引き続き地域の旅行需要の急速な拡大をもたらすだろう」とし、さらに「長距離路線や乗継便の提供、機内サービスの充実など、いわゆるLCCのビジネスモデルを超えていくことで、既存の大手フルサービス・キャリア(FSC)の市場シェアを奪っていく」との見方を示した。ただ、北東アジア地域は、東南アジア各国ほど航空自由化が進んでおらず、「離陸前の給油中」の状態という。
講演でLCCを、「2地点間路線を運航し、従業員の運賃は業界平均よりも低く設定、機内サービスなどの付加サービスは全く、あるいはほとんど提供しない航空会社」と定義。運賃はFSCと比較して最大で50%の水準で、航空券の販売は主にウェブ経由という特徴を持つ。アジア・太平洋地域のLCCの傾向は、「ビジネスモデルの枠を超える動き」や、FSCが自社のLCCを設立する例が目立つという。また南アジアと東南アジアでは、機材の大型化が進んでいる。
このほか、LCC用のターミナル建設や、LCCのアライアンス形成などの動きもあり、「今後の成長機会になりうる」という分析だ。ただ、将来的に見ると、人材不足や環境税などの要因で伸び悩む可能性もあり得るという。 チョン氏は、アジア・太平洋地域内のLCCの現況説明に際し、東南アジアは「離陸後の上昇中」、南アジアは「離陸中」、オセアニアは「巡航中」、北東アジアは「離陸前」と表現。離陸中の南アジアでは、「今後、インドが世界最大のLCCのマーケットになる。世界全体のLCC市場の70%を占める可能性もある」と語った。
(上記抜粋転載)
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