売上計画比1割増、08年度も拡大/1割増収狙う
日本航空(JAL)の2007年度における国際線チャーター便(除く羽田―金 浦、虹橋線)が通年(2007年4月~3月)で、当初計画の800本を大幅に超える 910~930本、また売上は目標の100億円から1割程度上回る見通しとなった。
2008年度は、2007年>度を超える規模とする意向で、売上でも「前年比で10%程度」(同社国際営業部企>画課長補佐望月浩嗣氏)の増収を狙う。
韓国/香港の「双方向チャーター便」が増加> JALへの運航移管で台湾も検討>> 当初計画よりもチャーター便が大きく伸びた背景には、韓国や香港発のイン バウンド需要にも対応した「双方向チャーター便」の増加が挙げられる。望月 氏は「例えば韓国で、羽田―仁川間の深夜早朝チャーター便を利用した東京へ の週末短期滞>在商品に人気が集まった。現在でもその人気は衰えておらず、毎 週末チャーター便>を運航している。来年度も継続する予定だ」と答える。また 香港発についても、インバウンド需要に対応したチャーター便を2-3月の期間 中、香港―羽田間で毎週末運航するなど、便数が増加した。
望月氏はこうした双方向チャーター便のメリットについて「"Back to Back"での運航により、席単価を抑えることができる。その分魅力的な商品造 成が可能となり、人気が出てきた」と指摘。同社では、韓国や香港発以外にも 2007年度は、シンガポール発のチャーター便も運航。今後は4月よりJALの運航 となる台湾への双方向>チャーター便も検討する。
望月氏は「例えば羽田―台北 間でチャーター便を設定することで、台湾人に人気の高い北海道など、羽田早 朝発の国内線と組み合わせた展>開も可能。需要を見ながら検討したい」と語 り、前向きな姿勢を示す。
08年度は下期と深夜発中近距離など強化ミクロネシア、ハワイは国内線乗継需要にも期待。一方、4月以降の2008年度については、「2007年度におけるチャーター便の 上期と下期の本数比は6対4。
2008年度は上期を前年度並とし、下期を少し増や したい」(望月氏)考え。また「機材計画如何」としながらも、長距離チャー ター便や「夜間に駐機する国内線機材を活用した深夜発の中近距離チャーター 便を強化する」意向だ。
このうち深夜発のチャーター便については「羽田に加え、24時間運用可能な 北九州なども活用したい」と説明。羽田発は、前述の韓国や香港などへの双方 向チャーター便に加え、4月から運航が可能となる台湾、さらにグアムやサイ パンなどのミクロネシア、ハワイへの日本発のレジャー需要に対応したチャー ター便運航も検討する。
リゾート路線へのチャーター便運航について、望月氏は「チャーター便なら では>の魅力を打ち出したい。高くても仕事を終えて羽田空港へアクセスできる 付加価値を打ち出すことで新規需要を拡大したい」と語る。
また国内線乗り継 ぎによる日本各地からの需要にも注目。「スルーチェックインや空港駐車場の 無料利用など、今>後地方での販売も拡大したい」と前向きな姿勢を示す。
他にも羽田からシェムリアップ(カンボジア)へのチャーター便も検討。こ ちらは昨年より地方発で運航がスタートしているが、羽田深夜発は現地空港での発着時>間帯の制限があり、現在実現には至っていない。
望月氏は「将来的に は条件をクリ>アして実現させたい」と語り、意欲を見せる。羽田チャーター便は「定期便への影響を考慮」羽田発直販は「新規需要のみ」にただし、羽田深夜発のチャーター便は「需要動向を見ながら増やしていく。
定期便への影響も考慮する」方針。望月氏は「無理なチャーター便の設定は安 売りにつながり、既存の定期便に影響を与える。結果的に定期便の撤退となれ ば、マーケットの縮小、ひいては業界の衰退が懸念される」と警告する。
そのため同社では成田発定期便のある香港やミクロネシア、ハワイなどへの チ>ャーター便は、原則週末や3連休、ゴールデンウイークなどの多客期のみの 設定と>し、毎日運航は避ける意向。
また、昨年羽田発の深夜早朝及び特定時間帯での国際線ITCチャーターにお いて、総座席数の50%を上限に航空会社による座席の直販が認められたことに 対して、望月氏は「定期便の需要に影響を与えない新規需要のみ検討したい」 と説明する。
望月氏は「例えば羽田―ホノルルなどは、成田の定期便に影響を与えるた め、旅行商品のみの販売とする」と強調。直販は「将来的には直行便で新規需 要となるパラオなど、やる価値はあるだろう」との認識を示すに留める。
長距離は中欧・イタリアへ、地方発も拡大> アラスカなど、商品内容変え「長期展開」一方、長距離チャーターについては、昨年好評を集めたクロアチアやチェ コ、ハンガリーなどの中欧チャーターを今年も運航。今年は新規乗り入れ地点 や「地方都>市からも設定する」(望月氏)ことで、マーケットの拡大を図る。
また地方都市を>中心とした欧州向けチャーター便は、昨年のスイスからイタリ アへシフト、ミラノとローマを発着するオープンジョータイプの便がメインと なる予定。望月氏は「団塊世代は、通常行けないエリアへ直行便でアクセスし たいという利便性を求めており、そのニーズと供給が合った形」と評価する。
また望月氏は「チャーター展開は来年も再来年も引き続き継続したい。クチ コミを広げることで利用を増やし、常に新しい企画を盛り込むことで需要を継 続させたい」と語り、長期展開を重視する姿勢を示す。
その具体例となるのはアラスカへのチャーター便。同社は2003年に運航を開 始。当初は成田―アンカレッジ間を結ぶ5泊7日の日程で設定。3年目には新た にフェアバンクスを目的地に加え、アラスカ横断商品に対応した。また4年目 には夏の運航時期をこれまでの6-8月から7-9月にずらし、9月でのオーロラ観測が可能となるなど、少>しづつ内容を変えている。
その結果「昨年はジャンボ 機1便で430名を集め、過去最>高の集客を記録した」と語る。 今年はさらに、初の試みとして、バンクーバー―アンカレッジ間のクルーズ を組み合わせた旅行商品が登場。今後は「再びアンカレッジの単純往復や関係各署の認可が下りれば、来年以降は座席数の50%を上限としたエアオン販売も 検討したい」と意欲を示す。
B767退役で、効率的なチャーター設定可能にチャーター拡大は「空港の24時間化」がカギ
また、望月氏は今後のチャーター展開について「今後はB767型機からB787型 機への機材交代が進むため、決してチャーター便の便数が減ることはない」と 説明する。同社では機材交代の際、新旧機材を重複させる期間を設けるため、 これを活用したチャーター便設定ができる。
特にB767型機の退役を活用するこ とで「ジャンボ>機と比べ、便数や供給面で、より効率の良いチャーター便設定 が可能となり、チャンスが広がるだろう」と見込む。さらに望月氏は、チャーター拡大へ向けた取り組みとして「空港の24時間化 がカギとなる」との認識を示す。
例えば同社では、韓国発のインバウンド需要 に対応し>たチャーター便として、昨年9月のピークシーズンに、24時間対応可 能な北九州発着の深夜早朝チャーター便を設定。同チャーター便を利用した九 州の温泉巡り商品が好評を集めた。望月氏は「当初は人気の高い北海道を計画 したが、空港のキャパシ>ティに限りがあり、北九州へシフトした」と背景を語 る。
望月氏は「札幌や仙台、福岡や広島など、100万人超規模の都市から深夜発 のチャーター便設定ができれば旅行需要を伸ばすことができる。深夜発でも直 行便であれば、利用価値は高いだろう。官民一体となって夜間での飛行が可能 となるよう改>善を求めていきたい」と語る。ちなみに現状では、上記空港はいずれも深夜時間帯の発着が不可能。仮に発 着が>可能となれば、新たな海外旅行需要創出のチャンスとなる潜在性があると 言えるだろう。